ゲームの敗者より
「自分を大切にしてくれない人のことを、大切にする必要はない」
という言葉を、どこかで読んで、心に残っていた。
そしてこの言葉が、ちょうど一年前の自分を救ってくれた。
それまで自分にやれることは全て出来る限りやってきて、
確かに会社には貢献していたと思うし、評価もされていた。
それでも、偶然とはいえ最後のプロジェクトで大きなミスをしてしまったせいか
退職時は感動のフィナーレとはならず、あっけないものだった。
あんなリソースもなくカオスな状況じゃ、誰がやってもミスらない方が無理だと思うけど。
いくら後任がなかなか決まらないからといって、
退職通知もぎりぎりまでなされず、最後のギリギリまで、
自分の退職を残念がってくれる人に話すことはできなかった。
皆の前で挨拶する機会も与えられず、
まるで「ゲームの敗者には、もう用はない」と言われているような気がした。
最後の最後に、怒りと失望が込み上げてきたが、
その時に自分の気持ちを支えてくれたのが、先に書いた言葉。
自分を大切にしてくれない組織に、執着する必要はないのだ。
それでも、まだ会社に残っている同僚を見ると、
同僚=生き残った強者
自分=逃げ出した敗者
というものさしで見てしまいそうになる。
自分軸の価値観がまだ揺らいでいる証拠だろうな。